デュタステリド(Dutasteride)

デュタステリド化学式

デュタステリドの効果・作用機序

デュタステリドは、グラクソ・スミスクライン社によって前立腺肥大症の治療のために開発されました。前立腺が肥大すると尿道を圧迫し、残尿感や頻尿などの症状を引き起こします。デュタステリドはこのように肥大した前立腺を抑える働きがあります。

その他の働きとして男性ホルモンに関するものがあります。「テストステロン」は「5αリダクターゼ」という還元酵素の作用を受けて「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。

このDHTは前立腺肥大を引き起こすだけではなく、毛根にも影響し髪の毛の成長を止めてしまいます。その結果として薄毛になることを男性型脱毛症(AGA)と呼びます。

デュタステリドは5αリダクターゼを阻害する働きをするので薄毛を改善する効果があります。

プロペシアの主成分である「フィナステリド」も同様の働きをしますが、フィナステリドがⅡ型の5αリダクターゼだけを阻害するのに対して、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方を阻害します。

このため、理論的にはフィナステリドよりも育毛効果が高いと考えられています。

実験でも2.5mgのデュタステリドの服用で、フィナステリドの1.5倍の育毛効果があったことが報告されています。

フィナステリドの血中半減期が3~5時間であるのに対し、デュタステリドの半減期は3~5週間とかなり長期間になっています。そのため、一度体内に入れると持続した効果が期待されますが、本来は前立腺肥大の治療薬ですので育毛のために服用するときは過剰摂取にならないよう気をつける必要があるとの指摘もあります。

そのため、デュタステリドを育毛剤として使っている人の中には、1日おきに服用している方もいるようですね。

デュタステリドの添付文書情報については、こちらを参考にして禁忌などご確認下さい。

デュタステリドの副作用

個人差はありますが、ホルモンに関連した副作用があります。乳房のふくらみ、乳頭の痛み、性欲減退、肝機能低下などがあります。フィナステリドの副作用は少ないとされていますが、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方の5αリダクターゼを阻害するので副作用も大きくなる可能性があります。

デュタステリドの育毛剤

フィナステリドが主成分の育毛剤はプロペシアですが、デュタステリドを育毛剤として商品化した医薬品は現在のところ販売されていません。「アボダート」はデュタステリドを主成分としていますが、前立腺肥大治療薬として販売されており育毛剤としては販売されているわけではありません。

製造会社のグラクソ・スミスクライン社も臨床研究を行なっているようですが正式な商品とはなっていません。ただ、実際のところはアボダートを育毛のために使用している方も多数いるようです。

デュタステリドの通販

アボダートは日本では「アボルブ」という名称で販売されていて病院で処方してもらえますが、個人輸入代行サービスを利用してネット通販でも購入できます。

アボダートのジェネリック医薬品としてデュタスデュプロストベルトリドなどが販売されており、こちらも個人輸入で購入することができます。どちらもデュタステリドを1錠当たり0.5mg含んでおり、デュタスはアボダートの1/3ほどの価格で購入できます。

デュプロストはフィンペシアと同じ製薬会社シプラが販売しています。デュタスが販売停止になった通販サイトもあり、人気が急上昇中です。