プロキャピル(Procapil)はミノキシジルと同等の効果がある育毛成分
プロキャピル(Procapil)は、フランスのSedermaというヘルスケアメーカーが開発した育毛成分。
LinkedInのページによると、Sederma社は1964年創業の上場企業。化粧品やヘアケア関連の成分を開発していて、フランスでは有名なメーカーのようです。
プロキャピルにはオレアノール酸・アピゲニン・ビオチノイルトリペプチドが配合され、ミノキシジルと同等の効果があるのに副作用がないとされる成分です。
臨床試験も実施しており、育毛や薄毛改善への効果が実際に認められています。
日本ではあまりメジャーな育毛成分ではありませんが、2017年10月に発売されたフォリックス(Follics)というミノキシジル育毛剤に使われているため注目が集まっています。
このページでは、プロキャピルの育毛効果や副作用について解説。ミノキシジルやキャピキシルとの違いについても比較しています。
目次
プロキャピルの配合成分と育毛効果
プロキャピルに配合されている成分は以下のようになっています。
オレアノール酸・アピゲニン・ビオチノイルトリペプチド-1・水・PPG-26ブテス-26・1,3-ブチレングリコール・PEG-40水添ヒマシ油
育毛効果があるのはオレアノール酸・アピゲニン・ビオチノイルトリペプチド-1の3つ。まずはこれらの効果について簡単に説明していきますね。
オレアノール酸
ブドウの果実に付着している白い粉(プルーム)に多く含まれるのがオレアノール酸です。
5αリダクターゼという酵素をブロックし、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する働きがあるとされています。
DHTは男性型脱毛症を引き起こす悪玉男性ホルモン。プロペシアの有効成分であるフィナステリドも同様の働きがあり、DHTを抑制することで薄毛の進行をストップできます。
1989年に名古屋大学などが発表した論文では、オレアノール酸が薄毛を改善することが報告されています。オレアノール酸配合の育毛剤を4ヶ月使用すると、硬毛数(太くしっかりした毛髪)が増加し、14例中3例で臨床的に有効だと認められました。
プロペシアほどの効果ではないものの、薄毛改善に一定の効果があると言えそうですね。
アピゲニン
アピゲニンはパセリやセロリなどに含まれるフラボノイド(ポリフェノール)の一種。プロキャピルはオリーブの葉から抽出されたアピゲニンを使用しています。
抗酸化作用や抗炎症作用があり、頭皮の血行促進を改善する効果が期待できます。
また、ある研究では毛乳頭細胞から分泌されるTGF-β1(トランスフォーミング増殖因子)を低下させると報告されています。TGF-β1は男性型脱毛症と深く関わる因子なので、アピゲニンは抜け毛予防にも有用だと考えられます。
マウスの培養組織を用いた研究では、アピゲニンによって毛髪の成長が促進されることが明らかになっています。
Can Apigenin promote hair growth? Yes, it can stimulate hair growth
ビオチノイルトリペプチド-1
ビオチノイルトリペプチド-1(Biotinyl-GHK)は、ビオチンとトリペプチド-1によってつくられる成分。髪にハリとコシを与え、まつげ用育毛剤や美容液によく配合される成分です。
毛包にある細胞の代謝を刺激し、髪の成長を促す効果があるとされています。
プロキャピルとミノキシジルの効果の比較
プロキャピルはミノキシジルと同等の効果があると言われていますが、それには科学的エビデンスがあります。
含有成分のビオチノイルトリペプチド-1は、ミノキシジルと同じくらい毛髪の成長を促進するとメーカーの研究で報告されています。
まず、毛包組織にビオチノイルトリペプチド-1を2ppm添加し14日間培養したところ、コントロール群と比較して毛髪の成長を促進することが確認されました。
そしてミノキシジルを2ppm添加した場合と比較すると、同程度の効果があることが分かりました。
下の写真の左下がミノキシジルで、右上がビオチノイルトリペプチド-1です。両方ともコントロールと比較して58%毛髪が成長していますね。
ビオチノイルトリペプチド-1の量を5ppmに増加すると、さらに成長率はアップして121%になったとのこと(右下)。
この実験結果から、プロキャピルはミノキシジルと同等の育毛効果があるとされているのでしょう。
プロキャピルはその他にも遺伝子発現や細胞活性など様々な効果が確認されています。詳しくはこちらのページを参考にして下さい。
https://ayeletgayer.com/wp-content/uploads/2021/10/Procapil_TechnEng.pdf(PDF)
http://www.adele.co.jp/procapil/
臨床試験ではヘアサイクルの正常化が確認
プロキャピルは人を対象とした臨床試験でも育毛効果が示されています。
脱毛症の男性35名を被験者として、プロキャピル3%のローションを4ヶ月間(1日2回)使用した効果が調べられました。その結果、プラセボ群に対して成長期の毛髪の割合が増加していることが分かりました。
形態学的な観察でも毛球や毛根鞘に変化が確認されたとのこと。
女性でもプロキャピルの効果は検証されていて、4ヶ月間の使用で薄毛が改善されたと報告されています。
キャピキシルとの違いを比較
最近注目されている育毛成分にキャピキシル(Capixyl)というものがあります。
キャピキシルはアカツメクサ花エキスとアセチルテトラペプチド-3をブレンドした成分で、DHT抑制と毛包活性化作用があるとされています。
成分は違うもののプロキャピルと似たような効能があり、キャピキシルも臨床試験では成長期の髪を増やすという結果が得られています。
キャピキシルはLucas Meyer Cosmeticsというフランスの会社が製造しています。プロキャピルもフランス製なので、育毛成分の開発が活発なのかもしれませんね。
プロキャピルとキャピキシルの効果を直接比較した研究はありませんが、似た働きをする成分だと認識しておけばいいと思います。
キャピキシル配合の製品は多数ありますが、類似した効果のあるプロキャピル育毛剤も今後増えてくるかるかもしれませんね。
キャピキシルを使った育毛剤としてはボントレスローション(ヘアセラム)などがあります。
プロキャピルの副作用は本当にない?
プロキャピルの副作用はほとんどないとされています。
オレアノール酸とアピゲニンは天然成分由来なので、降圧剤として開発されたミノキシジルのような副作用はないのかもしれませんね。
先ほど紹介したオレアノール酸の育毛剤を使った臨床研究でも、14例中1例にのみ瘙痒感(痒み)の副作用が認められただけです。
プロキャピルは医薬品成分ではないので、副作用は特に心配する必要はなさそうです。
2chなどの口コミ評判は?
プロキャピルを配合した育毛剤は日本ではメジャーではなく、2ch(2ちゃんねる)などの掲示板では参考になる口コミはありませんでした。
Amazonでは『PHRローション』というプロキャピル3%の育毛剤が販売されているものの、あまり売れていないのかレビューはほぼありませんでした。
『A&C BEAUTE MISS9』というプロキャピル配合のまつ毛用育毛剤には、5件のレビューがあり高評価でした。まつ毛が本当に伸びるようです。
楽天市場では『アーデル』というプロキャピル育毛剤が販売されていて17件のレビューが掲載。「抜け毛が減った」「産毛が生えてきた」など割りと評判は良かったです。
実際に使用した人からの評価は高いようですが、メーカーが公表しているようなミノキシジルと同程度の効果が本当にあるかまだ分かりません。プロキャピルだけで薄毛を治療するよりは、フォリックスのようにミノキシジルの補助成分として使うのがベストなのではないかと思います。
プロキャピル配合のフォリックスについては、こちらのページで詳しく解説しています。併せて参考にして下さいね!
フォリックスFR15の効果と副作用
フォリックスFR16の効果と副作用
まとめ
- プロキャピルはフランスの上場企業が開発した育毛成分
- オレアノール酸・アピゲニン・ビオチノイルトリペプチドが配合
- ミノキシジルと同程度の成長促進効果があり、臨床試験でも有効性が確認
- 日本ではプロキャピル配合の育毛剤が少なく口コミはまだ少ない
- ミノキシジルの補助として配合されているのがベスト
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